自分の心が嬉しくなるような
形と色と感触の饗宴
それが あなたらしい絵 です。
定期開催絵画教室創美創心の
描くことが楽しくなるメソッドをまとめたトレーニングブックを三省堂書店 より 出版いたしました。
現在はメルカリmercariにて販売中
監修:汐見稔幸(元白梅学園大学学長・東京大学名誉教授・日本保育学会会長
著者:髙橋久美子(合同会社美術教育コンサルティング社代表・定期開催絵画教室創美創心主宰)
本体 1,500円(mercari価格送料込み)
B5判・並製・オールカラー・48ページ
※トレーニング例を弊社のHPで画像・映像でお届けします。
http://www.soubisoushin.com をご覧ください。
The Basics あなたらしい絵を描くために
※本書は8歳ぐらいから取り組み可能です。
特に興味を示すお子様の場合は何歳からでも可能です。
※描くことに特化して作られたトレーニングブックです。
幼児期から思う存分描く行為を
そして
コミュニケーションを
積み重ねることは子どもにとって
生涯の大事
【その表現の一つ「描くこと」】
幼児の表現について
描いているものは絵ではないと
ご存知でしたか?
これは【なぐりがきの時期】(1歳半~2歳半ごろ)
と言われている頃の表現です。
親御さんが絵を描いていたりすると、1歳過ぎたあたりから
床に描きだします。つぶやきながらぐじゃぐじゃにクレヨンなどを
動かしていきます。大事な時期です。指と手と腕と肩と体の感覚を
つかんでいます。体の神経と脳とが結びつくまさにその瞬間です。
見たり聞いたり触ったりなめたりしたことを、手足で表現しています。
そう思って見ると、線の一本一本が「力強い」とか「速い」とか
思えてきて、いとおしいですよね。
これは、いとこの子どもが描きました。3歳です。
【象徴期】(2歳半~4歳ごろ)と言われる時期の表現です。
行動したことが線や形になります。
(何が心に残っているかは一人一人違っています。大人がお題を決めてしまうのは控えましょう)
帯広のばん馬を見に行ったことが、余程印象深かったと見えて
しばらくは描くものは全て「馬!」でした。
といっても、「ママぁ」といって描いたものもこれと同じ丸い形でした。
丸い形は象徴的に「馬」や「ママ」なので顔や頭を描いているわけではありません。
ですから、丸い形の下に手や足を描いたからと言って、
頭に手足を付けたというわけではありません。
描きながらママと一所懸命お話をするので、「大きいね」「たくさんいるね」など
たくさんお話をしてください。
絵を描くというよりも、ママとお話がしたいのです。
手、腕、肩の動きが大きく、体全体で描き、全身を使って
ママに説明します。
子どもが描いている間に席をはずさないでください。ここがこらえどころです。
伝えたい人がいなくなった時点で、子どもにとっては描く意味がなくなっています。
上の絵は、わたしといとこがたくさん話を聞いたので、大いに盛り上がり
同じ画面に10頭の馬(それも色違い)と花火を描き込みました。
大変気に入って持って帰ってしまいましたので、画像はありません。
ママ(いとこ)は「この子こんなに描くの?」と驚愕していましたが、
描く力があるのではなく、ママへのあふれる愛があっただけです。
もちろん、画塾講師のわたしが何かしたわけでもありません。
次は【図式期】(5歳~8歳ごろ)と言われる時期です。このころから
発達段階の個人差が大きくなります。
記憶していること、知っていることを描きます。
平面的に空間を表し、太陽、雲などを記号のように描きます。
位置感覚は大体で記憶していることを付け足しながら描いていきます。
自分は水の上に現れます。
(無理矢理水の中に入れたり、背景をぬったりさせるのは控えましょう。)
小学校でよく描かれる、「プールの絵」です。
その時どんな気持ちだったか聞いてください。
「泳いでいるね」「楽しかった?」と一緒にお話をしてお楽しみください。
今回は関わり方を特に慎重にした方がよい1歳から8歳までの
発達段階を大まかにお伝えしました。
大体の発達段階を捉えて子どもの自然な成長を
妨げないように気を配りましょう。
「うまい!」と技巧的なものへの賛辞は大人の期待に沿わせてしまうので控えましょう。
「気持ちがあふれているね」「大きく描いたね」「楽しくなるね」など、
表現の過程に目を向けた同意や興味や励ましの言葉が大事です。
大切なのはその時にやろうとしていることを、思いっきり
やらせてあげることです。
そうやって没頭して自ら気づいて、
自分の知っている世界や体験したことを生き生きとした感情で
人に伝える「表現者」になっていくのです。
中学校に進学した時に、幼児期から楽しく描いてきたお子さんは
失敗を恐れず、一つの課題に様々なアプローチができていました。
経験量が豊富なのです。そして人と比べたり、うまく描こうとしたりしないで
まずはしっかりと感じ、自分を信じて果敢に粘り強く表現していました。
このように子どもの表現を認め、的確な評価を積み重ねれば
自己肯定感や自尊感情がそなわります。それは、全ての学びについて言えます。
お子さんの将来に深く関わる幼児教育、その中の幼児の描く行為、
子どもに良い環境を用意するためにはまず、見守る大人が
「表現者」であってほしいです。「The Basics」で自信をもって
描きたいものをあなたらしく描けるようになってください。
※参考文献 「子どもの絵の発達と道筋」(日本文教出版)(2016)
「子どもの発達と造形表現」(開隆堂)(1982)
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